山形市立第八中学校
この建物は山形市に建設された中学校で昭和48年に竣工しています。東西に長い中廊下形式の建物で、若干不整形な形状となっています。建物の特徴としては、北面の吹抜け部分に設けられたカーテンウォールとその上部3階特別教室部分が3.8mほど跳ね出していることが挙げられます。昭和50年ごろの建物としては斬新なデザインで、構造的にも設計者の配慮がところどころに感じられる建物となっていました。
しかし、当時の設計としては限界があり、現行基準に合わせると耐震性能が不足すると判定され耐震改修を実施することとなりました。特殊な形状であることから補強量も多くなっています。3.8mの跳ね出し部分についても1/300程度の床傾斜が確認され、跳ね出し教室を支持する120mmの片持ち壁には多くのせん断ひび割れが生じていました。上下動に対する安全性確保のため跳ね出し部分にも補強を行っています。
耐震補強としては耐震壁や鉄骨ブレース等を増設しています。跳ね出し部分の補強は、跳ね出し部分の梁下部にバットレス壁を設け、合わせて既存片持ち壁をエポキシ樹脂注入を行いひび割れ補修を行っています。建物の正面となる北面では、耐震補強部材をデザイン的に配置し、既存建物の意匠性に十分配慮しています。
補強後
建築主
株式会社 鈴木油店
竣工年月
2010年11月
主要用途
有料老人ホーム
所在地
山形県山形市
構造・規模
鉄骨造3階建
延床面積
3,051.79㎡
補強前