新庄神室産業高等学校
本校は、既設の新庄農業高等学校・新庄工業高等学校の統合に伴い生まれた新設校である。そのため、「農業」と「工業」という異なる分野が融合されることにより、これまでの枠組みにとらわれない学習・生活空間が求められた計画である。本計画では、さらに「ゆとりとうるおいのある学校づくり」を目指して「生徒本位の空間」「生徒同士、生徒と先生、さらには地域の人々など、多様な人々同士のふれあいを喚起する空間」を加えたものを計画のコンセプトとしている。
配置計画は普通教室群、各分野別の実習室群(産振棟)、特別教室および管理諸室群、体育館をそれぞれ独立する形で配置し、それらを南北に長い共用部分でクラスター状に連結する構成とした。「樹幹」に相当する共用部分は、動線の要としてはもちろん、生徒や教職員の交流や生活の拠点として、アクティビティの高い空間となっている。
また、特色である「農業と工業が融合する学習空間」として、「植物工場」や「菌類発生室」を設置し、各室に「観察窓」を設けていることで専攻分野の枠組にとらわれず、気軽に他分野への興味関心を持てる作りとしている。「植物工場」には「雪室」の貯雪を利用した冷房を用いたり、風力や太陽光を利用した発電装置も備え、冬季間の日照不足を補うためには、トップライトやハイサイドライトを取り入れたり、夏季の日射遮蔽と冬季の日射反射・吸収として機能する金属製の庇などを設け、エコロジーに対しても積極的に取り組んでいる。
建築主
山形県
竣工年月
2003年8月
主要用途
高等学校
所在地
山形県新庄市
構造・規模
鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) 地上3階
延床面積
18,236㎡